2008/01/02

[雑記] 2007年総括

2007年は外面的には、激変の年であった。6月を境にMrからDrとなっただけではなく、住居もアメリカからヨーロッパへと移った。日本にも2回、帰国できたし、学会でカリフォルニアにも行った。

にもかかわらず、脳科学の実験屋としては、あまり変化はなかったといえよう。今でもしている実験は、手技的には博士課程の時とほとんど一緒だし、今のボスの方が自由にさせてはくれるし自由にするお金もあるのだが、「ボスと喧嘩せずに好き勝手できる」というだけで、気の向くことしかしないという基本方針にも、変化はない。

より大きなレベルでは、脳に関する見方もあまり変化がなかった。ただ、ここ数年考えてきたことがやっと煮詰まってきて、形をなしてきたというのは事実かも知れない。そこら辺は、アクセス数も多い以下の記事がうまく反映していると思う。
     [ドイツより] ビタミンB
新しいのでどの程度読者がつくかは不明だが、先週書いた以下の記事も、現在の「脳観」を反映したものだ。
     [新聞] Echo Chamber

2008年は、その中途段階での「脳観」をいかに紙に残してゆくか、ということが学問的にもキャリア上も、重要な課題となる。




私生活の上では、私生活がほとんどなかったことが問題だ。ただまあ、落ち着いて一人で考える時期は、もうしばらく続けた方がよいかもしれない。そこらへんの心情は、以下の記事に反映されていた。どちらもあまりアクセス数はあがらなかったが、正直に、真剣に書いたことには違いない。稚拙すぎたかな。
     [本・一般]●●●●● 深い河
     [映画] ●●●●● The Bourne Ultimatum




あと、一般向けに書いた脳科学の解説も、人気ではあった。しかし大局観のない読者に対して、掻い摘んで最新の話題を提供することは、今の自分にはちょっと任務が重大すぎる気がする。学問的に一線は越えられないし、かといって、本当の学問というのは懐疑の固まりで結論ははっきりしないものだから、面白くはない。
     [脳科学の話題] 3. 報酬・新規性・テレビ中毒
     [脳科学の話題] 2. 側頭葉に背後霊?

しかもブログという媒体の性質上、どうしても週刊誌みたいになってしまう。新書くらいの字数があれば、それなりのものができるような気もするが、あれこれ考えたあげく、今の力量ではちょっと本の執筆は背伸びに過ぎる、また時間もない、と結論。5年後くらいでしょうか、これを再考すべきなのは。

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