[ドイツより] Deutschland, meine dritter Heimat
ドイツがユーロ杯決勝進出。この試合もまた、例によって街中で観戦。町中で買ったドイツチームのTシャツと、学食で配っていたドイツの小旗とで、装備は完璧。
今週は、うちの研究室に二台ある脳細胞記録システム(1台1000万円くらい)の出張修理兼販促で、テキサスからうちの研究室に、カナダ人の会社技術者兼マーケティング部長が来ている。そのうち一台が新しく買ったもので、どうもうまく記録がとれずに、半年以上ほこりをかぶっていた。
でシステムの不調は、電源からのスパイクの漏入よって、DAQがクロックを読み間違えてしまうことによるものだったらしい。 僕の担当の機械(博士の師匠の会社で作っている光学機器)には、最初にちゃんと、電源のところに電源フィルターを入れておいたから、そんなのばっちり。だって、オシロスコープを一目見たら、どっかから変なのが入ってきているなんて、一目瞭然だもの。
東ドイツ時代の配電がよくないのか、それとも古い冷蔵庫(?)かなんかが同じ配電盤につながっているのか。 いずれにしても、小ボスの腐乱苦(仮)に対してはまた一段、株を上げたみたい。だって、ほかのポスドク・院生たち、こぞってその新システムの駄目だしをしようと、半年近く苦心していた。僕の買ってもらった新しい機械は、渡独2週間目にはちゃんと、実験結果を出していたもんネ。アッカンベー。僕の電気は「最低限なんとか」レベルだと思うんだけれども、だからなおさらほかの人たちには、ちょっと失望。
で、その技術者券会社重役をちょっと街中に案内して、その後院生の恥無(仮)夫婦と合流して一緒に観戦した。こういう業者の人というのは、独特の視点を持っていて、とても学問の全体的な推移に敏感だったりする。変な学問的意地とかがないから、総じて見通しがよい。どこら辺がこれから↑か、どこら辺が↓か。いろいろ興味深い話を聞くことができた。
ひとつには、世界情勢。現在日本は年5台程度、中国は数台納入しているそうだ(アメリカは60台とかいっていた)。でも5年以内には中国と日本は、逆転するだろうとのこと。でも中国は、研究費の当たっている研究室はどれもアメリカ帰りの中国人で、よそから外人が入り込む余地はなかろう、と。アメリカの科研費危機については今年に入って小康状態、少し販売も回復の兆しを見せているそうだ。
あと、業種内での事情。これからの脳細胞の電気的記録機器は、現在5社ほどある小規模な会社同士で、統合・整理が起きるだろう、と。光学的な記録・刺激とか、ちょっと流行りだしているような実験までもを取り込んで、分野内でもさまざまに専門分化している細胞外電位記録の会社同士が合併し、どんどん多種の測定を、簡単に同時にできるようになっていくだろう、と。
生化学・分子生物学の試薬会社では、少し前に同様の合併の嵐が起きたばかりなのだが、はたして複雑な記録機器、しかも一台が1000万円を超えるような機械について、そんなに簡単に合併がなるのかどうかは、不明ではある。まあでも、細胞内電位の記録装置(100万円単位?)としては、悪損機器(仮)が合併などを経て独占首位に立ったわけで、同様のことが細胞外記録装置でもおきる可能性は、確かにありそうだ。
ドイツの決勝進出に踊り喜ぶ、Magdeburg市民たち
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