[ドイツより] トルコ人とドイツ人
ドイツもトルコも、EU杯で勝ち進んで、水曜日にはBaselにて、準決勝対決となった。これは大変なことになりそうな予感。
というのも、西ドイツの1960年代高度経済成長は、トルコ人の労働力によって支えられたもので、西ドイツ全域には大量のトルコ人が住み着いている。フランスほどではないにせよ、民族対立もあるようだ。日本のR研のサマーコースで知り合った友人のトルコ人によると(彼はトルコ本国の大学を卒業して、政府の奨学金でHeidelbergに留学していたから、いわゆるトルコ移民ではないが)、ドイツのいわゆるトルコ人は、アナトリア高原などの田舎出身で、教育水準も残念ながらあまり高くないのだとか。
で、その彼らは結構、トルコに対する愛国心が強いようだ。先々週ベルリンの壁を歩いた際、出発は南のトルコ人居住区、クロイツベルクからの出発であった(Kreutzbergは、西ベルリン)。で、団地の窓や自動車には、赤地に白い月のトルコ国旗がたくさん飾ってあった。もちろん、ドイツ人たちはドイツ人でいわゆる黒赤黄旗を飾っていて、EU杯を勝ち進むにつれて、町中を走る自動車の旗の数は日増しに増えていっている。
僕だったら遠慮してせいぜい、日の丸(だか星条旗だか)と、ドイツ国旗を同時に飾るかな。事実、極少数ではあったが、ドイツ国旗とトルコ国旗が仲良く風になびいている姿も見かけはした。でも、トルコ国旗だけ、というのは、ドイツに移住したのだという感覚が全くないともとれる。これは、日々の生活の上でも見かけられる姿勢(らしい)のだが、西ドイツ人たちはどこかに根深い反感を抱えていたりするような気がする。まあ、「自分たちの都合で移民を推奨しておいてからに」といえばそれまでなのだが。
だから水曜日にもし、トルコが勝ってドイツが負けでもしたら、酔っぱらいのネオナチ・フリョーたちによって、また一騒動あるのではないか、と懸念されるのだ。
ちなみにここマグデブルグは東ドイツなので、トルコ人に当たるのは(北)ヴィエトナム人。だから町の「中華」料理屋はどれも、甘目の南国風。で、彼らはトルコ人のようには問題を起こしてはいない模様である。水曜日、せっかくなので町中で観戦しようかと思うが、これは友人らを誘って何人かで出かけた方が、よいかもしれない。先日町中で手に入れたドイツチームのTシャツを着込んで。ドイツチーム、今ひとつさえない感じだったし、負けでもしたら、平和なマグデブルグにしたって、少々荒れる可能性はある。
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