[旅日記] 帰省 2007/11 (2) 油虫

コペンハーゲン成田の便は、遠足気分のジジババで満席だった。

搭乗前のひととき。搭乗口の手前に無料の新聞が出されて、ユダヤ人風のお爺さんが一人、つかつかと寄っていって新聞を手に取った。するとたちまち、負けじとばかりに、日本人のジジババ達が油虫のように、新聞のカートにたかる。はしたない、というのか、何というか。ほしいのなら、自分で勝手に取りに行けばよい。ほしくないのなら、他人がとろうが、関係ない。

目前に繰り広げる安デパートのバーゲン風景に、しばし、帰りたくなくなる。

「あら、スポーツ新聞しか残っていませんでしたワ。わたし、あれは読みませんの。」そんなこと、誰も、訊いていない。