2007/10/02

[実験屋日記] Tenure clock

Tenure、つまり終身雇用契約。学問の自由を守るため、教授などになると得られる。また、学問を志す人を守るために、tenure clockというのもある。つまり、一定期間内に終身雇用契約を獲得できるだけの業績をあげられなかったら、二度と終身雇用契約は望めない、という時限爆弾である。Tenure clockが切れてしまったら、見込みがないから、やめて別の人生を考えてください、という意味である。

ドイツの学問では、なんとこのtenure clockは修士を卒業した時点から始まるらしい。PhDの取得と終身雇用契約(tenure)を12年以内に獲得しないと、一生、終身雇用契約は得られなくなる。これはどうやら、国内のどこの大学・研究所にいても、国の法律で、一律にどんどんtenure clockが進んでいくらしい。



これはアメリカよりも、厳しいといえよう。

アメリカではtenure clockは大学ごとに勝手に決めており、国がどうこう口を挟むことはない。また、大学を変われば、リセットされる。



どうやら僕も、ドイツのtenure clockは始まっているらしい。ただ、今用意している財団記念研究員への指定がうまくいったらば、その期間中はtenure clockは凍結されるという。ドイツに長居するつもりはあまりないが、一応その意味でも、がんばらねばなるまい。まあ、僕の場合はおそらく医師という分類にいずれはなるので、12年ではなく15年、というエキストラタイムが与えられるのだが。

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