[実験屋日記] 大先生
研究所長の舎医費先生(仮)。もう当然、60すぎだ。8月いっぱい、丸々ヴァカンスにいっていたかと思いきや、戻ってきて早々、夜8時になにやらごそごそ、組織学の実験をしている。
この先生、資金調達がとても上手らしくて、研究所を潤わせている。僕の直接のボスの腐乱苦(仮)も、もとは舎医費の弟子で、研究所の3階フロアは舎医費・腐乱苦研究室という感じである。「共同運営」、といいたいところだが、舎医費のとってくる莫大な紐なし予算と、腐乱苦の持っている大きなお金を合わせると、「運営」、というよりは砂糖の山に蟻がたかっているような状態にもみえたりする。その割には仕事が出ていないのは、NIHとかRIKENとか、予算規模が大きいところはどこも一緒かもしれない。でもそういう場でしかできない種類の仕事、というのもあることは、間違いない。そしてむしろ、本来は貴族の遊びである学問なんて、財布ばかり気にしていたのではできないものだ、と、貧乏研究室から舞い降りてきた僕には、そうも感じられるのだ。
ところで舎医費先生は大きなお金だけではなく、小さなお金をこまごまとたくさん取ってくることも上手らしい。何かのコネ筋があるようだ。で、その報告書の時期が回ってきて思ったとおりに進んでいないと、夜遅くに自分で実験をするんだ、と人はいう。
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