[新聞] やっぱりイラクは引けない
A Duty to Mislead: Politics and the Iraq War
by Ted Koppel
NPR All Things Considered, June 11, 2007
クリントン女史はやっぱり、旦那にも引けを取らない政治家だ。
コッペル氏曰く。彼女は「私が大統領になって最初にすることといったら、イラクの兵隊さんを呼び戻すことよ」と演説はしているものの、注意深く聴くと、どこにも「全撤回」とは言っていない。そこらへん、拍手喝采の大衆迎合的な演説をしつつも、言質を取られないようにちゃんと伏線を敷いている。さらに、クリントン女史の側近すじによると、裏では彼女も、「たとえ当選して、さらに再選されても、まだイラクには米兵が駐留しているだろう1」といっているらしい。
アメリカでは長らく、筑紫哲也のような立場にあったコッペル氏2。もとは外交記者あがりなだけに、「まあ常識的に考えて、この先10年くらいイラクに駐留はやむなし。大統領候補達も顔には出さないが、分かってるだろうとは思う」といった類の直球を投げられると、こちらは素直に受け止めやすい。
コッペル氏の結論は「大統領候補どもは、いつになったら、本当の話をし出すのだろう」といった慨嘆であったが、それよりも僕は、実験屋として、「この国はやっぱり捨てるべきか」、と。分かってはいたが、こう釘を刺されると、否定しようがない。この先国費のブラックホールが逐次膨脹してゆき、のうのうと実験なんぞ許される時代は当面は戻ってこないだろう。下手に居残ったら、軍医として徴兵されかねないか3?
1. 大統領の任期は4年
2. 半世紀にわたり3大ネットの一つ、ABCの記者/アンカーであった。こちらはABC、American放送。筑紫はABC、Asahi放送。
3. 米国の徴兵登録は18~25歳。現在は登録だけで、実際の徴兵はヴェトナム戦争終戦以降は行われていない。嬉しいのか悲しいのか27歳、現行法ではもう、徴兵登録は切れてしまった。
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