2007/02/18

[雑記] インターバル勉強法

論文を読むことは実験屋の重要な仕事である。

いくらいい実験をしても、論文を書かなければ意味がない。論文を書くにあたっては、今まで報告されてきたどの論文の流れを汲むものと位置づけるか、生物学のどういった疑問に対峙して行われた研究と位置づけるか、ここらへんが語り部としての生物学者の腕の見せどころ。

しかし、教科書や書籍もさることながら、学術誌は恐ろしい数が出版されている。脳科学関連の記事が載るものだけでも百近く?あり、毎日のようにきっと何百もの論文が発表されている。この押し寄せる情報の津波に立ち向かうためには、膨大な時間をよみものに費やさねばならない。かといって、これらは無味乾燥なものが多く、すぐ飽きがくる。

そこで、以下のような勉強法に到達した。

まず、常に2~3種類のものを同時に平行して読む。そして飽きないように、これらを10分おきにスイッチして読んでゆく。10分を区切るためにはタイーマー1を用い、時間いっぱいとなったらタイマーの鳴りやまぬうちに読み進めるのをやめる。そして、頭の中で10分の内容を簡単に要約し、場合によっては欄外に簡単にメモして、次のものに移る。この要約作業は「気づいたら漫然と字をなぞっていた」ということの防止策にもなる。

10分のインターバルは厳守する必要がある。どうしても話の途中だと読み進めたくなるものだが、この欲求を原動力にするのだ。

平行して読むものは、内容・言語・紙質など、種類が豊富であればあるほどけじめがついてよい。たとえば、画面上のPDFと書籍を平行して読むと、とても具合がよい。日本語のよみものと英語のよみものを混ぜるのも有効であるが、実験屋の読むものはほとんどが英語である。疲れてきたら小説など、単純に楽しいものを組み込むのも手である。

この方法で、ぼくの勉強は大いに捗るようになった。しかし、捗りすぎて、ひとしきり終わると大変な疲労感を催す。これは散歩や喫茶で解消している。あと就寝前などは、脳を活性化しすぎて、よろしくない。



1. タイマーとして最近、日本より下図のものを仕入れて使用している。ブザーの代わりに振動するようにも設定できるため、他人の迷惑を憚ることなく使用でき、いたって具合がよい。

object に対応していない場合はこれが表示される

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

楽しく拝見させていただいております。認知脳科学を志しております、大学院生です。やることを、順々にまわしてやったりってのはなんとなくするようになっていたのですが、論文を並行して読むってのは試したことなかったです。しかも眠れない程の集中力がでるとは驚きです。試してみます。散歩もいいですね。

gawky さんのコメント...

コメントありがとうございます。このところは気持ちが忙しくて与太話ばかり書いておりますが、夏も後半になったらまた、もう少しきちんと書ければとは思っています。

よろしくお願いいたします。