2007/01/13

[実験屋日記] 新しい研究室に移る1~7年後の自分へ

  • 働く人たちが活き活きとしてハッピーな研究室に行け。自分だけがハッピーになれる訳はない。
  • 実力者の研究室に行け。君には、学問的尊敬を失した人に対して、その事実を隠すという常識的なEQが、著しく欠如している。
  • 人格者の研究室に行け。いくら偉いボスでも間違える。だから、scienceの上でボスが部下と対等にやり合う気がないような研究室は滓だ。
  • 優秀な同僚達が、お互いに助け合ってやっている研究室に行け。凡人は、他人に触発されて自分をのばす気になる。
  • 金に余裕のある研究室に行け。君は丁寧(日本的な)実験をしたがるが、それには金銭的な余裕が必要である。妙にけちって逆に時間(=人件費)を無駄にしている研究室は要注意である。
  • 成功裏に卒業していく人の多い研究室に行け。研究室には、キャリアの下駄になるような研究室と、足を引っ張られるような研究室との、二種類しかない。
  • ボスが、ボスとしての仕事を心得ている研究室に行け。
    • 日常的に実験をしていないボスは、研究室の器具・備品などの細部にまで注意が行き渡るわけがない。日常的に実験をしていないくせに研究室をmicromanageしようとするボスは要注意である。大抵、自分の老いに気づかずに、ピンぼけなことをする。
    • 日常的に実験をしているボスも、若干注意が必要である。後続の世代までもを自分の時代の流儀に引きずり込んでしまう危険があるからだ。日常的に実験をしていて、常に新しいことを考えているボスは、問題なかろう。
    • 財政面では、(A) 湯水のように金があるので気をつける必要がないか、(B) ボス自身がきちんと中小企業経営者としての自覚と責任を持って、研究に困らない金銭環境を確保している必要がある。
    • 運営上、ボスがきちんと責任を取っていることが必要である。あるいは、優秀な番頭が君臨している必要がある。その責務は、メンバー同士の研究内容の調整も含む。
  • 大きな窓のある研究室に行け。朝から晩まで(あるいは晩から朝まで)実験しているときは、こういうことが意外と重要である。
  • 土日でも時間外でも、人がいるような研究室に行け。実験が好きでない実験屋は本当の実験屋ではない。コーヒーメーカーと仮眠用の長いすがないような研究室は、要注意である。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

ふーむ。
micro management & macro managementという考え方が確かにありますね。中小企業と大企業でマネージメントで必要な人材のスキルが違うのがあてはまる。急成長中の小さな会社が大きくなっていくときに、中小と大企業でマネージメントのスキルの種類が違うことがわからないマネージャーに当てはまる。急成長中のその会社のTOPは新たに外から役員クラスをヘッドハントしてこなければならないとは、このことでしょう。

gawky さんのコメント...

なるほど。自分だけの実験屋からの、事業拡大の失敗ととらえるのですね。

研究室の場合は企業の中でもタレント事務所という側面もあるかもしれませんね。ボスはエージェントやマネージャーみたいなつもりで仕事をすべきなのかもしれません。