2006/07/21

[実験屋日記]学会日記(1-3) 研究医の義務

日本神経学会は国際化をしようとしている、という。ポスターは全部英語でやることになっているし、口頭発表もほとんど英語である。そして、国際化のために、たくさんのアジアの人を招聘・招待しているそうだ。

学会の帰り、駅の改札口で、迷っている参加者のスリランカ人のおじいさんを手伝った。そして、国際会議場の駅から四条の駅まで、小半時、談話した。本国では医師だという。スリランカでは、青年期の脳梗塞を研究しているという。普通、脳梗塞は老人の病気だが、スリランカでは、30%は45歳以下だという。そしてなぜか、若年脳梗塞では脳の血管がデカい患者が多いというのだが、原因は全く分からないという。

日本ではMD(医師)のくせに、人間とは直接関係ない基礎研究をしている人が多いのにはビックリした、という。教育の無駄である、という。ビクリ。僕も今、アメリカで、その方向に向かって、学んでいるのだ。脳の基礎研究に大変なおもしろみを感じているが、考えるまでもなく、大局的には、重要性の低い案件である。メディカルスクールに入学した時点で、そういった頽廃的学問を行う権利を放棄したのであろうか。

三ヶ月でも、六ヶ月でも、研修をしにこいという。本当の医学をみせてやる、という。カネも設備もないが、別のものがあるという。そのうち行くと言った、結構本気である。でも、自分の頽廃を見せつけられるのは怖い。頭ではもちろん、前から分かっていることだ。でも、電車でちょっと話したくらいで動転しているのである。本当にいったらどうなっちゃうのだろう。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

それもよい

それもまた人生。
人生どこでベクトルが替わるかわかりませんぞ。

そういや、去年京都に行ったときに、私も学会に参加していたアメリカ人のおっさんに道を聞かれたなぁ。

2006.07.24(Mon) 22:41

匿名 さんのコメント...

面白そう!

随分遅いけどコメントさせてもらいます。
スリランカの医療、研究、面白そうではないですか。
gawkyさんが体験してどう感じるのか…是非知りたいです。
小さなスリランカで医師をしながら研究もし、そしてはるばる日本へ学会にも来る…。おじいさんにしてはタフで気持ちがいいほどですね!!

2006.11.29(Wed) 21:47