2008/05/19

[旅日記] Strasbourg/Köln (6) ケルン学会

ケルンの郊外にある研修施設でひらかれた骨関連の国際学会。脳研究とは何一つ関係ないのだが、まだ学生割引で登録できるし、出張できている母につきあって参加した。第一、研究医というのはそもそもが、何に関しても一定の見識を持ち合わせているのが役回り(建前)で、それで人体を有機的な総体としてとらえよう、という哲学だ。だから骨だろうが、癌だろうが、脳だろうが、何でもこいという図太さが必要だろう。

しかも、よその学会に参加するのはヴァカンス、というだけではなくて、場合によってはとんでもないひらめきにつながる。たとえば今まとめにかかっている大ヒットプロジェクト(先を越されなかったら、だが)は、2005年に父に付き合ってボストンの蛋白学会に参加したときに得たアイディアが、問題意識の原点になっている。

しかも骨の学会というのは脳やタンパクの学会とは違って、薬屋が相当のエネルギーをつぎ込む。だいたい生物系の学会というのは、(薬屋の権益との距離)が(出てくる食事の質)と逆相関する。今回は食事も、とても上出来であった.



精神的に相当疲れていたので、3泊4日の学会は毎日、数時間ずつしかでずに、残りは、ケルンの郊外の野山を散歩したり、森の中で座って読み物をしたり、とても贅沢な日々を送った。

ケルン大司教区の運営する学会・研修施設、Kardinal Schulte Haus。もとは修道院か、黙想施設だったと考えられる。しかし、ケルンの町を歩いていると、尼さん・神父さんが多い。




散歩中に発見した近所の。正門はケルンの町の大聖堂をむいている。表はホテル、裏手は老健施設。実に贅沢な隠居暮らし。

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