2008/05/05

[旅日記] Strasbourg/Köln (2) フランスとドイツ

道の町、ストラスブール。アルザス全体がそうなのかもしれないが、ストラスブールの歴史はドイツとフランスの綱引きの歴史でもある。現在はEUの首都。まさに綱の中央の旗のような町といえるが、綱引きの実体は現在では水面下に埋もれているのだろう、旗だけがすがすがしい春風に吹かれてなびいている。

道の表札。フランス語の下に、微妙にドイツ語じゃないドイツ語も書かれている



そういえば、EUの都にふさわしく、博物館・ホテル・レストランのメニューなどには、フランス語の下に大抵、ドイツ語が書いてあった。場所が残っていれば、英語も。町中の店やでも、ドイツ人たちは何ともない顔をして店員にドイツ語で話しかけている。Parlez-vous云々と頑張るのは、気の小さい日本人観光客だけなのかもしれないが、途中からめんどくさくなって、店でいきなり怪しげなドイツ語もどきで話しかけることにしたら、米語で話しかけるより、総じて、対応がよい気がしてならない。

もちろんこれは地理的な条件と、ドイツ領も長いストラスブールの特殊事情とも考えられる。でも、潜在的な意味を察せずにはいられない。



完全に堀で囲われた旧市街の島。その一角に、Petit Franceと呼ばれる地区がある。もうだいぶフランス領も長いのに、なんでまた町の一角をフランスと呼ぶのだろうか?ここにもストラスブールの不思議な立場を感じずにはいられない。

夕方到着して、ろくな地図もなくプラプラと夕食を食べに出たら、なんとかこのプチ・フランスに到着することができた。もう疲れているので、地元の人みたいのがたくさん入っている店にそのまま飛び込んだら、なんとも美味であっさりとしたフランス料理だった。フランス料理は本来、日常の料理なのだと感じた。でもいくらあっさりといっても、あんなのばかり食べていたら、さすがにヒトのほうがfois grasになってしまう。



ろくな地図もないので、帰途はだいぶ迷ってしまった。あとから観光局で地図を手に入れてゆっくり検討すると、どうやら旧市街の島を半周以上してしまっっていたらしい。でも、いろいろおもしろいものを見物することができた。たとえば馬具屋。本当にまだそういう商売があるらしい。

0 件のコメント: