[旅日記] 帰省 2007/11 (7) 助教先生・丸の内考
昼は、中学一年から同級生だった獣医研究者と食事。彼は、弟さんが確か、うちの妹と小学校で同級だったような。彼はこの3月に提出する博論ではスナネズミを研究していたのだが、僕も現在、ドイツにおけるスナネズミの総本山のような研究所にいるものだから、不思議な縁だ。
それで、この先の僕の研究の方針(どのモデル動物のどの系に軸足を移していくか)について、獣医さんの頭脳を借りて雑談をすることが僕の魂胆だったのだが、考える足しにはなったといえよう。で、あと、お互いに交友の輪にあまり重複がないので、いろいろな同級生の消息について情報交換。
彼は、この4月から早速、某帝大で助教になるのだとか。まあ、助手ということではあるが、それにしても今時、たいしたものだ。さらに、研究室の人員削減で、上に准教授のいない助教だから、仕事さえはかどれば次のステップは見えているような話をしていた。実にたいしたものだ。なぜだか僕の、中学時代の渾名は「キョウジュ」だったのだが、これは、間違いなく先を越されそうだ。ほかにも何人か、多分野のacademiaにて確実な足がかりをつかんでいる同級生もいることを考えると、あまり呆け呆けもしていられない。
昼食後は、学士の頃の指導教官にあいさつをしてから、夜はサラリーウーマンとなった妹と、妹の先輩とともに、丸の内で夕食。
8時の待ち合わせまでにはまだまだ時間があったので、まずは本郷通り沿いに急にたくさんできたラーメン屋の一軒にて、腹ごなし。外国にいると時々、無性にラーメンが食べたくなるが、実際に食べてみると最近のラーメン屋は味が濃いだけで、力強さに欠く気がする。まあべつに、ツウでもないし、たくさん食べ比べているわけでもないので、ただ運が悪いだけなのかもしれない。
それで、ふらふらと春日通りから御徒町を経て、秋葉原。ちょっとした買い物。その後は神保町を迂回してから丸の内に向かう予定だったが、秋葉原あたりがすっかり綺麗に変わってしまっていたもので方向を間違えてしまい、気づいたら大手町の電電公社にさしかかっていた。このあたりもずいぶん変わったなあと思っていたら、丸の内はもっと激変している。
でまだ時間があるので、チェーン喫茶店でパソコンをあけて仕事をしていたら、後ろの席ではサラリーマンの愚痴大会。7時を回っているのに、安喫茶店にて、愚痴大会である。内容があまりにくだらないし、状況も状況、聞こえてしまった僕としては、ただただ哀しくなるばかりであった。あまりに哀しいので喫茶店を出て、丸の内を歩いていると、8時近いのに、優等生サラリーマン・ウーマン達がまだ忙しそうに早足で行き来している。輪をかけて無性に哀しくなるとともに、久しぶりに、「日本は僕にとってはガイコクである」という実感を抱いた。僕は日本が大好きだが、それは、小泉八雲のような、acquired tasteなのかもしれない。
今回の帰?国で強く実感したのは、いまや同級生・友人はもちろんのこと、5ツ年下の妹までもがこの社会の歯車になっているということ。彼女にしても彼女の先輩にしても、この桎梏から抜けださんともがいてはいる、がんばれ!
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