2007/10/19

[ドイツより] レバノン風肉パイ

ちょっと仕事の手を休めて夕食を食べにゲストハウスに戻ると、台所で新しい女の子が料理をしている。こんにちは、と言ったが最後、怒涛の勢いでおしゃべり攻撃。僕も人と話すのは嫌いではないが、これは、すごい。

どうやら、レバノンの大家族出身らしくて、もともと人間関係がドライであると考えられるドイツの、しかも研究所しかないような片田舎の、しかも最近ひっそりとしているゲストハウスで、一日中部屋にこもって読み物をしていて、そんなこんなで、言語中枢が鬱憤していたらしい。しかも今、ラマダンの最後で一日中何にも食べていないし、ラマダンというのは必ず大家族みんなでそろって断食明けの夕食をとるものだから、季節柄、さびしいらしい。



ところで、だいぶ日も短くなってきた。

料理が終わったところで、彼女、時計を見ながらしばらく座っている。何かと思ったら、日の入りの時刻まであと5分、だそうだ。天邪鬼の性格丸出しで、「それでは、白夜の国ではいつ食べるのか」と聞いたら、白夜に関しては例外事項があるそうだ。なるほど、本気でそういうことをしようとなったら、ちゃんと抜かりないものだ。



とにかく、よく話す人だ。来るときの飛行機で荷物をひどくかき回された話と、レバノンの大学では町が安定していて研究が可能な状態のときは休みなく研究を続けなければならないはなしと、ドイツ政府から奨学金をもらって共同研究に来ている話と、病院食のはなし。そのほかもろもろの話に混じって、なにかのきっかけで、swehaとかいう手作りの肉パイをいただく運びになった。中東的なおおらかさで、何か食べているときは人にも勧めるのが自然、という感じだった。あるいは、僕のクリームソースのパスタがあまりに貧弱に見えたのかもしれない。野菜は結構豪勢につかったのだが...



Swehaとやらは、ミントとレモンが混ざっていて、独特の重いような軽いようなパイであった。そして、ちょっと濃厚なトルコのヨーグルトをつけて、とてもおいしくいただいた。

(2007.9.29記)

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