[ドイツより] 学問の恨み
今日はアメリカから訪れているセミナーの演者と夕食に。演者を招待したのは、うちのボス(腐乱苦、仮名)と、あと脳波をやっている医学部の教授(栗須戸、仮名)。この二人にとって、演者は超重要人物らしい 1。かつ、演者と腐乱苦は、カリフォルニアの有名研究室の同門。栗須戸はこの演者を連れて、北海で数日間ヨットでもてなしたというし、当地でもホテルではなく、自宅に泊めているらしい。こうして、academiaは回転しているのだ。
夕食は、腐乱苦、栗須戸、僕、および栗須戸のポスドク一人、途中から栗須戸婦人。演者のアメリカ人の希望で、近所のドイツ料理屋にいった。栗須戸の推薦で、腸詰ならぬ胃詰をいただく。この胃詰は、前首相のHelmut Kohlのお気に入りらしい。
ビールは日本のにも近い、比較的さっぱりしたPilsを頼んだが、皆はより濃厚で麦っぽいHefeweizenを飲んでいた。そおか、ドイツでチェコ風のビールを頼むものではないのかな。「ビールはビール」という考えも甘かったのかもしれない。
いろいろな雑談で、研究の話は20%以下か。しかし、日本文化はまだexoticismが残っていて、会話がどっちに向かおうとも雑談のネタは絶えないから、大変よろしい。演者は栗須戸ともう一週間近く過ごしているから、彼との話題がもうあまりないみたいで、いろいろ日本の話を聞いてくる。躍り食いの話とかをした。
ところで、人の噂をしていて、ふと栗須戸が口にした不満が印象深い。「○○の研究室、わざわざいって××について手取り足取り教えてあげたのに、僕の論文、ちっとも引用しないんだよね」。心底から気分を害している様子だったし、こういう噂は75日では済むまい。なるほど、「学問の恨みは怖い」のだなぁ。
追、
会計は割り勘だった。演者の分はさすがに腐乱苦が払っていたが。アメリカだったら科研費の経費で落とすところだろう。日本だったら、このくらいの人数だったら腐乱苦が一人で払うだろう。そういえばこの間、院生の勉蔵に飯をおごったら偉く感謝していたのは、そういうことなのかなぁ。
1. つまり、その系統の論文が出たら、査読者となる、ということ。
1 件のコメント:
The Netherlands≒Northern Germany
∴Remember Dutch treat!
MWW
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