[新聞] アメリカ大恐慌と医療改革
The Takeover Boom, About to Go Bust
By Steven Pearlstein
Washington Post, June 13, 2007; D01
いよいよアメリカの借金経済の雲行きが怪しくなってきた。
経済自体にはそれほど興味はない。また、この先10年、20年の米国研究が資金難の暗黒時代であることもすでに諦めている。ここで一番気になるのは医療保険の先行きだ。もしもブッシュの最後まで経済がなんとか持ちこたえて、次の民主党の大統領が就任してから大恐慌がおきると、それだけで今気運が起きている国民皆保険は、政治的に頓挫してしまうだろう。
国民皆保険を何とか実施しないと、米国社会ははっきり言って終わりだと思う。病気をするとすぐ野垂れ死にするような社会では、文明もなければ文化もない。先日、Michael Mooreの最新作、「Sicko 1」を観る機会があった。これは米国の保険問題を被害者の観点から描き、ヨーロッパやカナダの制度をこれまた個人の立場からとらえて礼賛しているが、あれを米国の意固地な共和党系貧困者が見たら、さすがに降参して民主党に寝返るだろう。
しかも借金経済と同じで、米国の医療は「国民の不健康」という恐ろしい負の遺産を抱えているのだ。米国の市民がカードによる借金漬けの贅沢癖で、もはや切り詰めた生活ができないのと同様、米国の市民の健康は、もはや、薬などによってなんとか維持されている幻想にしか過ぎないものである。
だから、なるべく選挙戦に合わせて、来年の初頭までには派手にクラッシュすると、先々米国にとってはよいと考える。(あと、今年一年間は稼ぎが€のich/moiにとっても、悪い話ではない。)
1. 邦題は「シッコ」だそうです。これを決めた映画会社の人だか翻訳者だか、即刻クビにすべきであろう。日本語の言語感覚、皆無ですか?あまりくだらないことを考えてもしょうがないが、僕だったら若干幅を持たせて、病弊とかそういうたぐいの漢字を書いて、sickoはルビにするであろう。忠実にいくなら、カタカナで「ビョーニン」とかいうたぐいの語感も、似ているかもしれない。せめて、「シッコー」とかにしません?
2 件のコメント:
MediCare の実際は日本の国民健康保険以上だし、州により多少違うが、無保険の人へのケアはむしろやりすぎの面がカリフォルニアのMediCalなどにはあります。HMOなど保険があるから大丈夫ということでもありません。もちろん人それぞれの評価は違うでしょうが、私などはマイケル坊やは信用していません。
シッコという日本語訳はインパクトがあるつもりなのでしょうが、あまり良い趣味ではありませんね。これは Gawky さんに同感です。
MWW
○ッコーって、「お○ッコー」と聞こえる。
国民皆保険を全米でやるのは無保険者が4000万人も居る国なので無理だろうが、一部の州だけならやるだろう。
実際マサチューセッツ州はやるようだけど、DCもやらないかな。
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