[新聞] 世界はペシャンコに
The African Connection
By THOMAS L. FRIEDMAN
(NY Times, April 4, 2007)
このところ受講している中国語の無料podcastで、週末はインタビューなどの雑談(variety show?)のようなものが配信されてくる。そこで、NY TimesのFriedman氏1を痛烈に批判するインタビューを聞きつけた。
The World is Flatという、Friedman氏の話題の新刊(もう大分古いか?)は読んでいなかったが、この批判的インタビューによると、平たい世界とはようするに<世界中の大企業合併などによる重商主義への回帰>であり、<国際資本主義の瓦解>であるという。<自由貿易さえ広まれば世は安泰>というFriedman氏などの趣旨はnaïvetéのきわみであるという。加えて、歴史は<そのうち世界が安泰になるというPollyannishな希望>に基づいてではなく、より複雑な現在形の欲求に基づいて動いており、中国などはその潮流の先鋒に敏感に反応しているそうだ。
そんな中、冒頭にあげたFriedman氏のカラムでは、Kenyaのコールセンターを取り上げている。米国でパソコンなどが壊れてパソコン屋に電話すると、今やインドではなくケニアにつながることが増えているそうだ。Friedman氏によると、これはアフリカの喜ぶべき成功例だそうだが、インド・中国などをへて、アフリカにまで新植民地主義的な搾取の手が行き渡ったところで、その先はない。南米???それとも南極のペンギンたちでも使おうかしらん、ハリウッドによると彼らも英語を話すらしい。
インド・中国の中産階級を筆頭に世界中が大挙をなして搾取する側に転向してきたら、もはや、戦争しかあるまい。だから、世界は平たくなっているのではなく、ペシャンコになっているような気がしてきた。
1. 学部生の頃、The Lexus and the Olive Treeを読んでいたく感動して以来、Friedman氏のカラムはなるべく目を通すようにしている。が、特にイラク戦争に先立つ彼の好戦的カラムには失望することが多かった。所詮、<世界に通じているような顔をしながら全く大局観のない、典型的なアメリカ人>であると感じた。
0 件のコメント:
コメントを投稿