2006/12/01

[本・小説]●●●●○ Never Let Me Go

今週は月曜日の夜寝違えてからというもの、ほとんど何もしていないといってよい。(寝違えた原因は、飲み過ぎによる感覚鈍麻と考える。飲み過ぎの原因はここでは触れない。)今日になってやっと、左右水平45度にまで首が曲がるようになった。しかし集中力が続かないため、愚にもつかないことばかりやっている。以下は、夏、帰国中に読んだ本である。

Cover pictureNever Let Me Go
Kazuo Ishiguro

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Cover picture邦訳
わたしを離さないで
カズオ イシグロ

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Kazuo Ishiguro (石黒 一雄)は今まで小説を読んだことがなく、ただ、Remains of the Day(日の名残)という小説の映画化されたものをみたに過ぎなかった。母が大ファンというので、借りてこの本を読んだ。

ある女性の回顧という形でかかれているが、初め普通の青春小説のつもりで読んでいると、徐々につじつまの合わないことが出てくる。少女らの成長とともに彼女らは自身の世界へ目が開かれてゆき、同時に読者も彼女らの生きるBrave New Worldを理解する。

彼女らは、臓器移植のドナーとして特別に育てられている、クローン人間だったのだ。光陰矢のごとく馳走する青春の中で、彼女らは刻一刻と近づく臓器提供と自己の死に直面し、自分たちの知性・愛・人格・人生などの意義について、各人各様に自問してゆく。

Ishiguroは現代のバイオ技術について警鐘を鳴らしたつもりであろう。しかし、僕は、自分の実験結果やオハナシを切り売りしてゆく現代の実験屋のあり方としてとらえて、しばらく変な気分になった。

1 件のコメント:

gawky さんのコメント...

友人より、本書に関するインタビューのリンクをいただきました。http://www.globe-walkers.com/ohno/interview/kazuoishiguro.html