[実験屋日記]It doesn't matter whether you like it...
しばらくご無沙汰しています。渡日中にたまった日常の雑事や、新しく生じた雑事がまだ片付かずにいます。
家事をやりながらラジオを聞いていたら、地元のオペラ歌手のインタビューをしていた。少女の頃、最初の先生に、「歌っている歌が個人的に好きか嫌いかはどうでもよい、貴女の仕事はその歌を売り込むことだ」といわれたそうだ。敷衍して、オペラを歌っているときは、歌・演出・テンポなどが自分の好みのとおりであるかは二次的な問題で、その時々の指揮者・演出家の考える「その歌」のあり方を内在化し、自分のもののように提示することが仕事だという。
最近、ボスと研究の方針でぶつかることが多い。そのことに関しては、追々いろいろ書き留めたいが、この歌手の言葉から考えさせられた。どこまで自分を持つかどうか、というのは世渡りと関連しても難しい話だが、それだけではなく、「実験屋」として独立を目指す上でも、本質的なバランスなのかもしれない。
非常に尊敬する最初の師匠がかつて、「ボスというのは実験から離れて久しいから、いうことのうち半分は必ず見当外れだ。そのメンツを保ちながら、見当外れの半分を気づかれないように正しい方に修正するのが、大学院生・ポスドクのつとめである」と曰った。その師匠のもとで働いたことはないが、この「ボス論」が当の本人にもあたるのであろうところが皮肉だ。実験屋はこうして老いるのか。
いずれにしても、まだまだ修行が足りないようだ。
1 件のコメント:
お、更新してる
久々に更新してるぅ。
開店休業状態でしたからね。
2006.10.18(Wed) 00:10
コメントを投稿