2008/10/12

[実験屋日記] アメリカン・サイエンスの行方

株は毎週のように暴落を繰り返しているが、このただならぬ事態がただで収まるわけがない。

アメリカの生物学系科学研究の多くは、NIHの科学研究費によってまかなわれているのだが、この科学研究費の平均採択率はすでに10%を下回っているというし、採択されなかった申請書の再提出も、2回上限だったものを1回に引き下げる動きすらあるらしい。この科学研究費は、人件費と大学のピンハネ分を含めて、アメリカの生物学インフラストラクチャーを根幹から支えているお金である。

まだ年度は初まったばかり。しかも、正式予算がまだ議会を通過していないため、去年レベルでの暫定予算期間にある。議会が銀行危機に本気で動き出したら、NIH予算なんて吹き飛んでしまいそうである。また年度末でいろいろ厳しくなってきたときにどうなるか、わかったものじゃない。

まあ、生物学系研究だって、銀行と同様バブルであったのはあきらか。急に拡張しすぎて、人が増えたら出費も増える。で予算縮小になったときに首が飛び出すわけだ。銀行危機と同様、アメリカ科学凋落の行方は、未だ不透明である。

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