2007/10/22

[ドイツより] Hallo?

オフィスはもう一人、院生と机を並べて共有しているのだが、電話は一台しかない。電話に出ると決まってドイツ語でぺらぺらぺら、とくるので、ずっと電話に出るのがおっくうだった。しかし徐々に業者など、僕に対する電話も来るようになってきたので、「ぼくし~らない」では済まなくなってきた。



一応、電話口での会話は、勉強した。でも、限られた文脈にしたって、言語の妙が数ページに収まるわけはない。まあ電話といっても10中8,9は、僕の机に以前座っていた丸苦守はいるか、といった内容なので、返答もそう難しくはない。「カレ、イマ、ココニ、イナイ。カレ、イマ、アメリカ、アルネ。メールアドレス、レンラクスル、イチバンネ。」しかし、分かった気で重要な点を漏らす、あるいは間違える、それが一番怖いのだ。



今朝電話が鳴って、ふと、すごいことを思いついた。「Hello, good morning?(英語)」と答えたのだ。

「Hallo?(ドイツ語のつもり)」と中途半端に答えたりすると、その時点ですでに、完全に守りに入ってしまう。ひとしきりドイツ語でやってみてから、申し訳なさそうに「ワタシ、ガイジン、ドイチュ、ワカラナイ。エイゴ、ハナスカ?」なんてやると、完全に、敗北だ。

が、「Hello, good morning?」では、攻守が逆転する。「Hello」だけでは、紛らわしいが、アメリカ教養階層の正しい発音で、間髪入れず、「good morning?」とやると、これはようするに「俺は正しい英語を話している。文句あるか」といわんばかり。こっちから先に奇襲攻撃、てなわけだ。だいたい、国際的な研究所(一応)に電話をかけてくる人は、それくらいのことで臍を曲げるはずはない(と願う?)。



今朝に話を戻す。「Hello, good morning?」とやったらなんと、綺麗な英語が帰ってきた。まあ、アメリカ人て、こうだからいやがられるのだろうが、今度からはオジタリアン根性丸出しで、この戦略を使うこととする。

もう、電話も、怖くない。

(2007.9.18記)

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