[ドイツより] Scent of a denture tablet

自分では気づかないが、意外と疲れているらしい。

研究室を片付けて、真夜中ちょっと前に研究所のゲストハウスに引き上げた。シャワーからあがってちょっと体調が悪いから、葛根湯をのもうとした。口に水を含んで、袋を開けて、上を向いて大きく口をあけて、ごくり... としたところ、葛根湯のつもりでのんだのは歯の矯正具のための入歯洗浄剤であった。

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とりあえず、それほどの毒物ではないから、口に手を突っ込んで吐き出した。劇物の場合は、吐くと食道をまた通過して、かえって悪い場合もある。運良く、今日はやたらとのどが渇いていて、仕事しながら2時間ちょっとで、1.5lのペットボトルを開けた直後だった。胃も水で満たされていたから、吐くのも簡単だったし、しかも、昼ごはん以来何も食べていないから ¹、吐瀉物は、なし。

それで、とりあえずの手は打って救急車 ²の必要がないと判断してから、急遽友人に電話。これこれこういう事情で、多分大丈夫だが、念のために30分後に電話してくれないか、と。炭酸ナトリウムを少々のんだところで大したことないのは、頭ではわかっていても、異国ということもあるのか、若干過剰反応。

電話をきってから念のため、事の次第と誤飲物の詳細を同じ友人にemail。まだまだ興奮状態。それからまたがぶがぶ水を飲んで、再度吐瀉。主成分が炭酸ナトリウムなのは知っていたが、どうやら界面活性剤やらなにやら、ごちゃごちゃ入っているのが気になる。そんなの体に入っちゃいやだものね。今度の吐瀉液はまったく透明になっており、入歯洗浄剤の青色はもうない。別に色なんかつけなくてもよいのに、とかつて思ったこともあったが、なるほど、こういうときには便利だ。

それから、大学の図書館経由でオンラインの毒物学の教科書を確認。医学部に籍があると、とこういうときにちょっと便利。「入歯洗浄剤」については、水酸化ナトリウムなどの強アルカリの章に一文だけちょこっと書いてあるだけ。これを見てやっと、安心、安心。どうやら強アルカリの水酸化ナトリウムだって、食道炎や食道出血を起こさなければ、少々なら大丈夫なようだ。水と牛乳をまたがぶがぶのんで、食道を保護することとする。そして明日は、すこし、take it easyしよう。

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1. そう、今日はまだ１食、昼ごはんを食べただけだったのだ。朝は、買い物をしていなくてパンがなく、バナナとお茶。夜は、実験をしていたらいつの間に21時くらいになっていて、そのまま片付けやら、setupの改良などをしていたら、23:30を回っていたのだ。そんなことをしていたら、疲れて入歯洗浄剤を間違えてのむわけだ。あと今日は、冷夏の筈が、急に、やたらと暑かった。

2. そういえば、ドイツの救急車の番号知らない... 火事救急警察、すべて112でよいようだ