2007/02/12

[雑記] ジュンク堂書店

去年の夏、4年ぶりに日本に長期滞在したが、一番便利に感じたのは気の利いた店の多いことであった。飲食系はもちろんのことだが、文房具屋、東急ハンズ、電気屋、本屋など。アメリカではとにかく<安い・デカイ・粗悪>なものをたくさん置くことが主眼のこれらの業種だが、日本では、ちょっと高めだが長持ちする良質なものや、痒いところに届くような機能性を求めることができる、ということに改めて気づいた。

中でも本の虫としては、アメリカにおける本屋の質の低さは痛い。ニューヨークなどに行くと専門書店などが多いらしいが、一般の大都市での本屋は、Barnes and Noblesといった大規模量販店が占めており、味も素っ気もない。こういったチェーン店ではベストセラーや大衆向けのself-helpものを大量に平積みして安売りするくらいしか芸がない。理系の専門書(英語)を探すのですら、下手にアメリカの量販店に行くよりは、東京の大型書店の洋書コーナーの方がよっぽど充実している1

去年の夏は池袋郊外の某研究所に2ヶ月間居候していたのだが、大収穫の一つは、池袋東口のジュンク堂書店をみつけたことである。人に聞くと、結構有名な本屋らしい。いわゆる大型総合書店に類するものではあるが、雰囲気がとてもよい。どこが決定的に違うかと聞かれても困るが、全体的にセンスの良さと居心地の良さを感じた2。おかげで帰国便は荷物の重かったこと!

去年末の自分へのクリスマスプレゼントには、インターネットでジュンク堂書店からたくさんの和書を購入した。日本アマゾンの海外発送とほぼ同様の送料であるが、アマゾンと違い従量制なので、あまり高くないが重い本(辞典類?)を買うときは、アマゾンの海外発送の方が割安となろう。船便を使えば、送料はほとんど違いがないようだ。しかし何より、日本の総合書店文化、立ち読み文化をsupportするためにも、今後なるべくアマゾンを避けてジュンク堂に頼むこととする。




1. 古本屋も雰囲気は好きだが、理系の本となると時限付きのものがほとんどで、よって、東京在住時は神田などには滅多にいかず、大学の購買部・総合書店・御茶ノ水の専門書店(夏いったら無くなっていた?!)などにお世話になっていた。

2. おそらく、他店よりも書架面積が広く、品揃えが豊富であると考えられる。店の配置は、とにかくたくさんの本を置くことに主眼が置かれており、平積みなどの無駄な面積が少ない。また、講演会などの企画も多く、参加は出来なかったが、表題をみるに比較的センスがよいようだ。並べ方も、何となくものが分かっていることを示すものである。あと、レジも一階に集中的に配置してあり、他階の書架スペースの落ち着きに寄与しているものと考えられる。唯一の問題は、洋書コーナーがとても貧弱であった。

対照的に、東京駅の丸の内北口に出来た新しい丸善本店は、本屋としての雰囲気はちょっと実直さを欠いて(NY的な雰囲気を漂わせて)好まないが、洋書はやはり充実していると感じた。夏、実験でどうしてもすぐに必要な新刊が一冊あり、インターネットでいろいろ調べたところ、東京中、あそこにしか置いていないとのことであった。早速山手線に乗って散財にでかけた。

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